鉾田市まちづくり推進会議

市民でまちをデザインする団体です。

移動研修

平成30年度 第1回移動研修を実施しました(2018年5月20日)

爽やかに晴れた日曜日、自然環境部会の第1回移動研修を実施し、筑波実験植物園と雪入ふれあいの里公園を視察しました。14名の参加者がありました。

(1)筑波実験植物園

最初に国立科学博物館 筑波実験植物園を訪れ、公開中のクレマチス園を見学しました。豪華絢爛な数多くの園芸種が見事でしたが、やはり自然環境部会としては希少な日本の野生種カザグルマを一押しします。同園では茨城県内や東京等で採取したものが大切に栽培されており、上品で美しい花の姿にしばし見とれてしまいました。

 

これは何でしょう(右の写真)。四川料理で使われる香辛料、八角(スターアニス)に似ていますが違います。これは、有毒植物シキミの実(正確には、果皮)です。アニサチンを含み、食べると死亡する可能性が有ります。シキミの茎、葉、実には毒成分だけではなく一種の香気があり、棺桶に葉を敷き臭い消しとしたり、墓の周りに植えて野犬等が墓を暴くのを防ぐのに用いられたそうです。

筑波実験植物園には、毒を持つ植物が観察用に植えられています。シキミの他にも、猛毒のトリカブトや、キョウチクトウ、ドクウツギ、アセビ等々、こういうのを見分けられるよう勉強しなければと思いました。

ちょうど、日本の高山植物の特別展示が行われていました。以下の写真は絶滅危惧II類のホソバヒナウスユキソウです。至仏山(尾瀬)と谷川岳の蛇紋岩地帯のみで生育するそうです。

さすが国立科学博物館の植物園でした。見るべきものがたくさんあり、勉強になりました。

(2)雪入ふれあいの里公園

午後からは、かすみがうら市(旧千代田町)にある「雪入ふれあいの里公園」を訪れました。手作り感のあるネイチャーセンターでは、スタッフの応対も良く、ザリガニ釣りを楽しむ親子づれが何組も訪れており、住民が自然にふれ合いながらゆっくりとした時間を過ごせる場所となっていました。

裏山に自然観察道が整備されており、多少坂道を登らなければなりませんが、頑張って登りました。その道すがら、季節の植物を観察することができました。まず目についたのは、そこかしこで見頃となっていたウツギの花(写真)です。また、スイカズラやガマズミの花、クサイチゴの実、ニワトコの実を見つけることができました。

 

裏山に登り眺望を楽しんでいた参加者の前に、突然ハヤブサ(絶滅危惧II類)が現れました。

崖で営巣しているようです。よく見ると、つがいのもう一羽が巣の近くの枯れ木にとまり、周辺を警戒していました。「どこに見えるの?」「おれの見ている方向だよ。」「どこ?」今日一番の高揚感が参加者を包み込みました。

ハヤブサを見つめる参加者たち(急ごしらえの肩三脚で撮影を試みます)


ここまで登ってきたかいがありました。ハヤブサの営巣が観察できるならば、フィールドスコープをかついでくれば良かったです。皆さんに高倍率でじっくりと観察してもらえたところでした。

生態系の頂点に立つ猛禽類がいるということは、その餌も十分にあるということであり、自然が豊かな証拠です。当地ではこの貴重な自然を守る活動を雪入ふれあいの里公園のスタッフの方々だけでなく、行政、住民が共通の価値観を持って町ぐるみで行っているようです。わがまちに示唆するところ大きいように思いました。

***

これにて第1回移動研修の報告を終わります。6月は定例の観察会を6/17(日)9:00~に予定しています。鉾田市環境学習施設エコ・ハウス前集合です。8:00から北浦北部の清掃活動も行いますので、よろしくお願いいたします。