鉾田市まちづくり推進会議

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第20期 ほこた塾 基本講座② 医療過疎県・茨城の医師不足の遠因は戊辰戦争にあり(2019年11月15日)

第20期 ほこた塾 基本講座② 医療過疎県・茨城の医師不足の遠因は戊辰戦争にあり(2019年11月15日)

人口10万人あたりの医師数ランキングによると(2016年・厚生労働省資料)
全国平均は240.1人
トップの徳島県は315.9人
茨城県は46位で180.4人
最下位は埼玉県の160.1人

その茨城の中でも地域別に見ると、
トップのつくばが379.6人、
最下位の鹿行はわずか90.2人
と茨城県の平均の半分しかないという、あまりの格差に驚きました。

講演者は東北大医学部2年の村山安寿氏、若干20歳の医学生で、20年を超える「ほこた塾」の歴史の中で、最年少のフレッシュな講師でした。

北海道生まれの村山氏は沖縄、東京で育ち、中学は北海道、高校は東京となかなかユニークな経歴の持ち主で、小6で将来は世界中の恵まれない人のために働きたいと考えるようになり、高校1年の時に参加したシンポジウムで公衆衛生学を学ぼうと決意したそうです。

講演の内容は、2019年の大学入試の結果から合格者の地域性を分析、考察し、医学部についても分析する中で、国立大医学部が西日本には東日本の2倍設置されていることに疑問を持ったという流れで進められました。

国立大医学部が西日本に多いのは、幕末の戊辰戦争において勝利した新政府軍が薩摩、土佐、長州藩などだったことから大学設立も優遇され、敗北した旧幕府軍の仙台、会津、庄内藩など東日本側は冷遇されたことが要因の1つなのではないかとの考察がなされていました。

さらに茨城県においては、幕末の混乱の中で、天狗党と諸生党の争いによって優秀な人材が失われ、大学の母体となるべき弘道館が消失したことが医学部設立の遅れにつながったのではないかとのことでした。

そして、医師不足解決の方法として、医学部を新設することが最も効果が期待できるのではないかとの結論が提示されました。

講演終了後は活発な質疑応答がなされました。
長州藩の明倫館、岡山藩の閑谷黌と並び日本三大学府と称された弘道館の価値を改めて学びたくなるような刺激を受けた講演でした。

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