鉾田市まちづくり推進会議

市民でまちをデザインする団体です。

12月

第20期 ほこた塾 特別講座② 【見聞】古地図で巡る水戸城・弘道館・偕楽園(2019年11月24日)

弘道館主任研究員 小圷のり子 先生を講師にお招きし、一日かけて、水戸城、弘道館、偕楽園をぶらりと巡りました。あいにくの雨模様でしたが、それもまた風情がありました。

【水戸城大手門】
古地図を手に(実際は雨のため広げられませんでしたが)、まずは復元完成間近の「水戸城大手門」へ。実際にその偉容を見て、ここにお城があったんだという強い存在感に圧倒されました。

完成間近の水戸城大手門

水戸城は那珂川と千波湖に挟まれた舌状台地という天然の要害に築かれました。陸続きとなる台地側には何本もの空堀が掘られ、その多くは今も見ることができます。(私的には、協同病院の脇の崖や、梅香トンネルに入っていく道沿いの谷、大工町と備前町の西側の谷が堀跡と知り、目から鱗です。)

大手門から二の丸側に行くと「水戸彰考館跡」があります。ここで水戸藩の事業として何代にも渡って編纂作業が行われた大日本史を見ることができます。それにしても文字の細かさに驚かされます。引用元が細かく記載されており、学術書として非常に価値あるものなのだそうです。

【弘道館正門・正庁・至善堂】
次に再び三の丸側に戻り、尊皇攘夷思想を生み出し維新の先駆けとなった日本最大の藩校「弘道館」へ。

弘道館正門

正門には弘道館戦争の時の弾痕が残っていました。正庁は総合大学たる弘道館の管理棟のような場所で、藩主隣席のもと大試験や諸儀式が行われました。

 

弘道館正庁 ・・・ 游於藝(芸に遊ぶ)

弘道館正庁 ・・・ 波打つ模様の「ぐし」や鬼瓦が見事

格式の高い建物であり、波打つ模様の「ぐし」や鬼瓦が見事でした。これらの瓦は東日本大震災で一枚も落ちなかったそうです。崩れたのは土壁のみ。土壁が揺れの衝撃を吸収して崩れるように作ってあったとのことです。正庁に隣接した至善堂は、藩主の休息所や諸公子の勉学の場でした。当時の湯殿や便所を見ることができ、面白かったですよ。

【弘道館八卦堂】
弘道館の中心にある「八卦堂(はっけどう)」を特別に見学させていただきました。八卦堂には、建学の精神が大理石に刻まれた「弘道館記碑」が納められています。この弘道館記碑は水戸空襲や東日本大震災を経験し、修復されてきました。傷だらけの姿が分かりますでしょうか。

八卦堂

弘道館記碑

八卦堂を中心としたレイラインのお話しもありました。水戸東照宮と大甕神社を結ぶラインと、静神社と吉田神社を結ぶラインの交点に八卦堂があるとのこと。神々の力の集まるパワースポットです。

【偕楽園】
午後からは偕楽園を訪れました。弘道館と対をなす庭園です。

水戸藩の学問・教育方針に「一張一弛(いっちょういっし)」という考え方があったそうです。弓は弦を張ったままだと駄目になってしまうので、必ず緩めなければならない。緊張して学芸を行うことと、時には遊ぶ・リラックスすることの両方が大切ということ。この教え、ストレス社会に生きる私達にも通ずるところがあります。八卦堂の弘道館記碑に「一張一弛」が刻まれていました。弘道館正庁に掲げられていた斉昭公の書「游於藝(芸に遊ぶ)」も、論語を引用しつつ水戸藩の教育方針を表していたということで繋がります。そして大きなスケールで「一張一弛」を具現化したものが弘道館と偕楽園だったのです。

「偕楽園は正門から入るべし。」と小圷先生は強調されました。静なる空間から華やかな庭園に至る計算された演出を、是非味わってもらいたいとのことです。

偕楽園正門

偕楽園は、武士だけではなく領民と偕(とも)に楽しむということから名付けられました。また、軍事用の保存食である梅干しを生産する梅林を始め、水田、茶畑、養蜂場などを有する殖産興業の場でもありました。新しい時代を見据えた壮大なビジョンの下に設計されていたことが良く分かりました。

好文亭からの景色

好文亭にて

梅林の庭園にて

好文亭の中にカフェがオープンしていました。歴史的な建造物の中で素晴らしい景色を眺めながらコーヒーをいただくなんて贅沢ですね。

鉾田南小学校PTA主催のイベントに参加しました(2019年11月30日)

今年度開校した鉾田南小学校のPTA主催のイベントに参加しました。(2019年11月30日)

同校は理科の特別校となっているそうで、科学にスポットライトを当てたイベントにしようというPTAの意向の下、面白理科先生が3組招待され、スライム作り、万華鏡作り、静電気実験が行われました。他にも色々な出し物があり屋台も出て、たいそうな賑わいでした。我々鉾田市まちづくり推進会議自然環境部会も負けてはおれぬと、「昼間の三日月を見つけよう」「植物とあそぼう」の2つで参戦しました。

前者は、天体望遠鏡で昼間の三日月を見るという内容です。

後者では、ムクロジの実の皮を用いた石鹸作りと、トチノキの樹液で蛍光塗料のように光る絵文字を書く実験を行いました。

最初は閑古鳥が鳴いていましたが、博士の帽子とローブを着たら次々と子どもが集まってくるようになりました。少々派手な仮装をしている方が、何か出し物をやっていることをアピールできて良いようです。また「いくらですか?」と聞いてくる子が何人かいましたので、無料であることを大きく示しておくべきでした。月が見つからないとか、トチノキの樹液があまり発光しないなどのハプニングもありましたが、予想以上の子どもたちが訪れてくれ、まずまずの成功と言えそうです。

【謝辞】平成25~28年度『公益信託「エコーいばらき」環境保全基金』の助成により購入した、青色のスタッフ・ジャンパー、双眼鏡、フィールドスコープ、三脚、ハンズフリー拡声器を使用しました。